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可奈さん
第8章 涙
「可奈さん、躰冷えませんか?」
「大丈夫、拓也さんが風よけになってるから」
みんなと別れ、"たかひら"を後にした俺は、新しい仲間ができた事が嬉しくて、背中の可奈さんにずっと話しかけている。
「みんないい人達ですね」
「うん」
「今日は楽しかったなぁ」
「…うん」
「本当によかったのかな、お金払わなくて」
「うん」
「俺、常連になります」
「…そう」
可奈さんの返事は短くて、なぜか次第に途切れ途切れになってきていた。そして急に俺の背中にギュッとしがみついた時、笑いを堪えているような震えが伝わってきた。
「あははー、可奈さん寝たふりしないでくださいよ、さっきみたいに本当に寝たら落ちま…」
可奈さんの震えが止まらない。
「可奈さん」
「寝てない…」
ちょうど信号に引っかかった。
「大丈夫、拓也さんが風よけになってるから」
みんなと別れ、"たかひら"を後にした俺は、新しい仲間ができた事が嬉しくて、背中の可奈さんにずっと話しかけている。
「みんないい人達ですね」
「うん」
「今日は楽しかったなぁ」
「…うん」
「本当によかったのかな、お金払わなくて」
「うん」
「俺、常連になります」
「…そう」
可奈さんの返事は短くて、なぜか次第に途切れ途切れになってきていた。そして急に俺の背中にギュッとしがみついた時、笑いを堪えているような震えが伝わってきた。
「あははー、可奈さん寝たふりしないでくださいよ、さっきみたいに本当に寝たら落ちま…」
可奈さんの震えが止まらない。
「可奈さん」
「寝てない…」
ちょうど信号に引っかかった。