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第9章 熱

その流れを追うように彼女の手が首筋から肩、胸、腰へと滑らかに移動する。


気持ち良すぎて溶けそう…


触れて欲しい場所はﾄﾗﾝｸｽの中でｷﾞﾝｷﾞﾝになっているのに彼女は気付いてくれない。


「あぁ…」


思わず呻いて強く抱きしめ、閉じた腿の辺りにソコを押しつけると、再び戻ってきた手で両頬を挟まれ、唇を押し付けてくる彼女に戸惑う。

味わうように絡み付いてくる舌と、一瞬だけ目を開けて導くように光る視線。

舌を吸われる度に2つの躰に挟まれた股間は、爆発寸前の涙にくれて濡れる。

彼女の唇は、もっと欲しいと求めれば頬や瞼、額に逃げ、切なくあきらめると唇に戻り舌に絡み付いて執拗に俺を奮い起たせる。


抱きしめているのに抱かれていた。

しなる躰を必死に抱きしめて翻弄されそうな自分に耐えていた。


彼女は俺の調子を狂わせる。


いつでも、今も…