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可奈さん
第14章 可奈さん
「の、ノブはやめた方がいいんじゃないのかな?」


ナナさんに骨抜きにされたノブと、ユミが付き合うなんて……なんか、やだ。


『お前にはもう関係ないだろ』

「ま、まあな」

『とりあえずユミちゃんは元気だっていう報告だ。お前は瀬川さんと上手くやれ』

「なんか冷たくね?」

『ん~。一緒に呼んでもいいけど、ここの女の子達若いし、ほら、お互い気を使うだろうしさ』


だからずっと誘われなかったのか。


『ま、友達になってしまえばどうって事ないよ。そのうち一緒に飲もうぜ、じゃあな、仕事頑張れよ』


……俺って、今までいろんな所で気を使ってもらってたんだな。

親父、お袋、ばあちゃん、木田、きっとユミも。そして修平さん、可奈さん。

ため息が白くなって夜に吸い込まれていった。


「外は冷えるだろ?」


席に戻った俺に修平さんがお茶を出してくれた。


「ありがとうございます」


湯飲みを両手で包むと、小さな思いやりがじんわりと身体に伝わっていく。


「今の電話、友達から?」

「えぇ、今度飲みに行こうって」




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