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可奈さん
第14章 可奈さん
「ちょっとユミ、重いんだけど、まだ買うの?」
「だってみんなに頼まれたんだからちゃんと買っていかなきゃ。
あれ、ノブ君は?」
俺は木田に失恋宣言した。
ヤツは葉月ちゃんと示し合わせて裏でみんなをまとめ、ヤツのアパートでクリスマスピザパーティをやることになった。
役割分担して、ピザと料理は木田、葉月ちゃんと女の子達は飲み物やケーキ、そして俺達は雰囲気作りの買い出し。
俺とユミは、なぜか気負う事なく友達みたいに会話ができた。
「迷子になったんじゃない? この人混みだとノブを探すの一苦労だな」
信号は青になったのに、ノブのせいで渡れない。
人がぶつからないのが奇跡だと思えるスクランブル交差点を前に、俺達はキョロキョロと小さいノブを探した。
師走の慌ただしさで、人口密度が半端ナイ。
「わざわざこんな所まで来なくても近場で買い物できただろ。サンタの服なんて誰が着るんだよ」
「うるさいなぁ。サンタは木田さんに決まってるでしょ。そんな事よりちゃんとノブ君捜してよ」
立ち止まった俺達は、川の流れを邪魔する岩みたいだ。
ノブは川底の石ころみたいに、どこかへ流されたのかもしれない。
信号が点滅し始め、人の流れが途絶えてきた。
「あ……あれ」
「ん、ノブいた?」
ユミの視線は交差点を指していた。
「え、どこ」
ユミが、今度は指を差した。
「だってみんなに頼まれたんだからちゃんと買っていかなきゃ。
あれ、ノブ君は?」
俺は木田に失恋宣言した。
ヤツは葉月ちゃんと示し合わせて裏でみんなをまとめ、ヤツのアパートでクリスマスピザパーティをやることになった。
役割分担して、ピザと料理は木田、葉月ちゃんと女の子達は飲み物やケーキ、そして俺達は雰囲気作りの買い出し。
俺とユミは、なぜか気負う事なく友達みたいに会話ができた。
「迷子になったんじゃない? この人混みだとノブを探すの一苦労だな」
信号は青になったのに、ノブのせいで渡れない。
人がぶつからないのが奇跡だと思えるスクランブル交差点を前に、俺達はキョロキョロと小さいノブを探した。
師走の慌ただしさで、人口密度が半端ナイ。
「わざわざこんな所まで来なくても近場で買い物できただろ。サンタの服なんて誰が着るんだよ」
「うるさいなぁ。サンタは木田さんに決まってるでしょ。そんな事よりちゃんとノブ君捜してよ」
立ち止まった俺達は、川の流れを邪魔する岩みたいだ。
ノブは川底の石ころみたいに、どこかへ流されたのかもしれない。
信号が点滅し始め、人の流れが途絶えてきた。
「あ……あれ」
「ん、ノブいた?」
ユミの視線は交差点を指していた。
「え、どこ」
ユミが、今度は指を差した。