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可奈さん
第5章 来訪者

風に含まれていた湿気が軽くなり、心地よい空気が鼻腔をくすぐる。
Lではデカ過ぎるし、2人で食べるのにSでは物足りないと考えた俺は、結局Mサイズのピザに決めた。コーラと紙袋に入れたバスタオルを一緒に持ち、スキップしたい気分を必死に抑えてマンションに着いた。
エントランスでインターホンを押すと「はい」と言う可奈さんの声。そういえば、彼女が居る事を疑いもせずに来てしまった。
「あ、あの、ピザ屋の拓也です」
「井口さん?どうぞ」
自動ドアが開き、ほっとしてエレベーターに向かう。
上昇する箱の中で気がついた。
なんでスペシャルシーフードなんかにしたんだ。可奈さんがアイツを思い出すじゃないか。俺のばか、せめてマルゲリータに…いやケーキにするべきだった。
浮かれていた。
今更遅い。
肩を落としてドアの前に立ち、久しぶりに307号室のチャイムを鳴らした。
Lではデカ過ぎるし、2人で食べるのにSでは物足りないと考えた俺は、結局Mサイズのピザに決めた。コーラと紙袋に入れたバスタオルを一緒に持ち、スキップしたい気分を必死に抑えてマンションに着いた。
エントランスでインターホンを押すと「はい」と言う可奈さんの声。そういえば、彼女が居る事を疑いもせずに来てしまった。
「あ、あの、ピザ屋の拓也です」
「井口さん?どうぞ」
自動ドアが開き、ほっとしてエレベーターに向かう。
上昇する箱の中で気がついた。
なんでスペシャルシーフードなんかにしたんだ。可奈さんがアイツを思い出すじゃないか。俺のばか、せめてマルゲリータに…いやケーキにするべきだった。
浮かれていた。
今更遅い。
肩を落としてドアの前に立ち、久しぶりに307号室のチャイムを鳴らした。

