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可奈さん
第5章 来訪者

この若いお友達が下心満載であるとも知らず、そっと手を引いた彼女はコーラを旨そうに飲んだ。
「ッあー、やっぱピザにはコーラだよね、あはは」
顔にタオルを押し付けて泣いていた可奈さんは今日はいない。
ピザの話から駅前の本屋の話、スイカの切り方、お掃除ロボットについて…と、当たり障りのない明るい会話が続く。
その中でくるくる変わる可奈さんの表情と、落ち着いた女性の声色とのギャップが俺を惹き付ける。
何を話しているかは問題ではなく、見つめ合っている事実に感動する。
俺は何一つ聞き逃すまいと集中しながら、斜め上を見て「んー」と考える可奈さんや、お茶を注いだ湯呑みを両手で包んでコロコロと動かす仕草に見入った。
彼女はとにかく無防備で、俺はとにかくオオカミで。
彼女はすぐそこで、意図しない誘いを仕掛けてる。妖しい蜘蛛の糸さえ必要ない。
「ッあー、やっぱピザにはコーラだよね、あはは」
顔にタオルを押し付けて泣いていた可奈さんは今日はいない。
ピザの話から駅前の本屋の話、スイカの切り方、お掃除ロボットについて…と、当たり障りのない明るい会話が続く。
その中でくるくる変わる可奈さんの表情と、落ち着いた女性の声色とのギャップが俺を惹き付ける。
何を話しているかは問題ではなく、見つめ合っている事実に感動する。
俺は何一つ聞き逃すまいと集中しながら、斜め上を見て「んー」と考える可奈さんや、お茶を注いだ湯呑みを両手で包んでコロコロと動かす仕草に見入った。
彼女はとにかく無防備で、俺はとにかくオオカミで。
彼女はすぐそこで、意図しない誘いを仕掛けてる。妖しい蜘蛛の糸さえ必要ない。

