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フ・リ・ン ~年下の男の子と~
第6章 雨からのエスケープ
それでまだあの人達の視線が後ろに残っている。

もう早く行っちゃってよぅと、こんなガラの悪そうな車に乗っているくせに律儀に黄色信号で車を止めた浩平クンのことを恨む。

やっと信号も青に変わり横断歩道を渡る人の列も切れて車は左折。

そこからは信号2つ分くらいをスイスイと止まらないで通過して、やっとあの忌々しい視線も途切れた気がしてホッとできて気持ちも平常に戻れた。

そうしてみると、膝の上で抱えているプレゼントしてもらった花束のきれいさに改めて気がついてカンドウ。

車内には心地のよいメロディーの洋楽ポップスが流れていて、まさしくデート雰囲気に自然と気分は浮かれてくる。

横を見れば浩平クンは先程のオチャラケモードとはかけ離れて、まっすぐ前みてクールに運転をしている。

まさに貴公子。
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