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フ・リ・ン ~年下の男の子と~
第6章 雨からのエスケープ
‘彼女’そのフレーズは今のわたしには余計だ。

浩平クンには笑い話しでも、わたしにはせっかくのデートが始まったばかりなのになんとも水をさす言葉で、この人って女心のわからない人なんだなぁと心の中で軽く非難する。

けれど、そんなことを顔には出さないように注意していたら、「あっ、そうか、そんなの家に持って帰れないよね」と浩平クン。

その言葉が今度はわたしにも旦那さんと子供がいるんだという現実を知らしめる。

結局わたしたちにはそれぞれ違った相手がいるんだから、「彼女」で浩平クンのことを非難するのは間違いだ。

でも、意地っ張りになったわたしは「大丈夫よ。ちゃんと持って帰って飾るから」と強がって見せた。

「大丈夫ぅ?」

「だいじょうぶ。それより、これからどこに連れて行ってくれるの?」

「ぅん?こっちと違って横浜のほうは晴れているらしいから、高速に乗って海にでも行こうかなと思って。日向ボッコでの~んびりしたいんだ。仕事ばかりで疲れたよ」
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