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フ・リ・ン ~年下の男の子と~
第7章 満たされている時
『うれしい』でもすぐに触れたはずの肩は離れてしまい、わたし達の間にはまた微妙な空気の隙間ができちゃう。

あのカワイイ顔はこちらを向いてほんのすぐ横にあるというのに・・・。

本当に浩平クンは寝ちゃっているんだろうか?

左の肩に微かに掛かる温かな浩平クンの寝息を壊れやすい宝物のように感じながらそっとその様子を伺うけれど、どう贔屓目に見てもタヌキ寝入りをしているようには思えない。

それにしても浩平クンの寝息の鼻音と海の波音のコラボがわたしの気持ちをこんなに幸せにしてくれる。

来ないならわたしのほうから手でも繋いじゃおうかなと、チョットだけ手を隣に動かしてアプローチをしてみようとしたけれど、やっぱり思いとどまって辞めた。

理由はない、ただ勇気がないだけ。

そんな臆病な自分に苦笑いをしてから、いまある安堵感の中でわたしも眠りにおちることにしてユラユラとその中へしずんでいった。
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