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遠回りしたけど
第9章 遠回りしたけど


「えっと…その彼女のことなんだけどさ…
 な、なお…なんだよね…」


大輝!?
急に何言ってるの!?


「えー?どのなお?同級にいたっけー?
 あー、鮫島?あいつの名前ナオコとかじゃなかったっけ」

「いや、鮫島じゃねーし、鮫島の名前知らないし。
 そうじゃなくて!もっと近くにいんじゃん!ほらっ!」


大輝はそう言うと、わたしの手を引っ張ってきた。

「っ!?」

急に引っ張られたもんだから、バランスを崩してトントントンッと片足で大輝の真横に移動する。


「なんでおまえら手なんか繋い…あーっ!?姉ちゃん!?」

「そう、忍の姉ちゃんのなお」


ビックリしたのは忍だけじゃなかった。
急に弟に彼女はわたしだとカミングアウトされて、わたしはどんな顔をしていいのかわからなかった。
弟の前で、弟の友達と手を繋いでいる…
恥ずかしくない人なんているのだろうか…!?



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