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遠回りしたけど
第5章 素直になってよ
勇気、か。
「んー・・・」
「なーおっ、がんばれー」
「・・・・・うん」
その日はバイトがない日で、
ベランダでテニス部のことを見ていたけど
頭の中は大輝のことでいっぱいだった。
誰が打ち返しているのかわからない
テニスボールの行方を追いながら、
大輝が中学生だった時のことを思い出していた。
わたしより全然、背が小さくて
遊びに行くと軽口を叩いてきて
でもたまにニカッて笑う顔がかわいくて
サラサラの髪を撫でると嫌がる大輝。