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遠回りしたけど
第5章 素直になってよ



その頃はまだ、忍のほうが
どちらかといったら大人っぽくて、

今は大輝のほうが忍より背が高くて
顔もかっこよくなっちゃってさ。




ほんと、生意気・・・。









「なお」




今日もわたしの名前を呼ぶ、あの声。




でもわたしは振り向かない。




「なお?」




だぶんもう大輝は教室に入って来ていると思う。




でも、振り向かない。




振り向けない。




だって、




わたしは泣いていたから。




大輝がわたしの名前を呼ぶ声を聞いただけで

涙が出てきてしまっていたから。



わたしはたぶん・・・



大輝のことが、好きだ。




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