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遠回りしたけど
第5章 素直になってよ
「なお」
すぐ後ろから大輝の声が聞こえた。
どうしよう。
このまま、大輝のほうを向かなかったら
わたしがずっと涼太くんのこと見てるって
涼太くんのことが好きだって思われてしまう。
でも、泣き顔を見せるなんてできなかった。
「なお?」
大輝が動く気配がしたと思ったら
ベランダの縁に寄りかかって外を見るわたしの横に来て、
わたしの顔を覗いてきた。
大輝と一瞬だけ目が合ったけど、
泣いてることがバレたくなかったから
すぐに大輝のいる方とは反対に顔を向けた。