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遠回りしたけど
第5章 素直になってよ
その日は、その後も何度かキスをくれて
暗くなってくると大輝が家まで送ると言ってくれた。
リビングにはまだ美波達が居て
「大輝、なおを泣かせたら
どうなるか、わかってるんでしょうね?」
大輝を脅かしていた。
「・・・わかってるよ」
ぶっきらぼうに言うと、わたしの手を握った。
わたしを家まで送ると、いつもみたいに
「じゃあな」
って言って自転車に跨がろうとする。
「うん、ありがとう」
大輝が自転車から降りてわたしに近付いてくると
一度だけキスを落とし、
「じゃ、じゃあな」
って顔を赤くして帰って行った。
その背中を見つめて、
ドキドキと鳴る胸がうるさかった。
【第5章 END】