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Could you walk on the water ?
第6章 陵辱未遂
「沙織のことが心配なんだ」
7月になってしばらく経ったころ、大介は思い切って剛にそう切り出した。
「姉さんが? だって仕事は順調に行ってるんだろう?」
「ああ。この前、最初の給料ももらってね。随分助かっている」
大介は素直に妻の貢献に感謝を示した。
「だったら、どうして? 姉さんの様子に何か不安を感じるのかい、兄さん」
会計士らしく、剛の話しぶりには常に整然とされた印象が漂っている。
金銭的にも余裕があり、風貌、性格にも申し分のない弟がなぜ未婚なのか、大介にはふともったいないような気もした。
「考えすぎかもしれないんだが・・・・。つまり、俺は知りたいんだ」
「知りたい?」
「こんなこと笑うかもしれないが、妻の仕事のもっと具体的な情報を、ね」
「へえ、そういうものかい、夫婦ってのは」
手元でボールペンを器用にくるくるとまわしながら、剛は興味深そうに兄のことを見つめた。
「姉さんが実際に何をやっているのか、それを考えると夜も眠れないってか」
「ふざけるなよ、剛」
「ははは。ごめん、ごめん」
剛は笑みを浮かべたまま、思案をするように目の前のパソコンの画面を見つめ、そして口を開いた。
「だったらこっそり見に行けばどうだい?」
「何だって?」
「どうせ堀内さんに聞いても教えてはくれないだろう。それに兄さんの口調なら、姉さんもはっきりとしたことは言わないんだろうな。だから、兄さんが隠れてこっそり見に行くんだよ、姉さんが働いているところを」
「簡単に言うけどな、剛・・・・・・」
「巨大だって言っても、所詮はプレハブ小屋だろう。人の出入りも多いだろうから、兄さんがこっそり紛れ込んで覗き見するぐらい、できそうな気がするけどね」
大介は、過去1度だけ訪れたことのあるあの寮のことを、脳裏に思い描いた。
そこで働く妻の姿を、密かに覗き見する。
大介は妙な感情を抱かずにはいられなかった。
7月になってしばらく経ったころ、大介は思い切って剛にそう切り出した。
「姉さんが? だって仕事は順調に行ってるんだろう?」
「ああ。この前、最初の給料ももらってね。随分助かっている」
大介は素直に妻の貢献に感謝を示した。
「だったら、どうして? 姉さんの様子に何か不安を感じるのかい、兄さん」
会計士らしく、剛の話しぶりには常に整然とされた印象が漂っている。
金銭的にも余裕があり、風貌、性格にも申し分のない弟がなぜ未婚なのか、大介にはふともったいないような気もした。
「考えすぎかもしれないんだが・・・・。つまり、俺は知りたいんだ」
「知りたい?」
「こんなこと笑うかもしれないが、妻の仕事のもっと具体的な情報を、ね」
「へえ、そういうものかい、夫婦ってのは」
手元でボールペンを器用にくるくるとまわしながら、剛は興味深そうに兄のことを見つめた。
「姉さんが実際に何をやっているのか、それを考えると夜も眠れないってか」
「ふざけるなよ、剛」
「ははは。ごめん、ごめん」
剛は笑みを浮かべたまま、思案をするように目の前のパソコンの画面を見つめ、そして口を開いた。
「だったらこっそり見に行けばどうだい?」
「何だって?」
「どうせ堀内さんに聞いても教えてはくれないだろう。それに兄さんの口調なら、姉さんもはっきりとしたことは言わないんだろうな。だから、兄さんが隠れてこっそり見に行くんだよ、姉さんが働いているところを」
「簡単に言うけどな、剛・・・・・・」
「巨大だって言っても、所詮はプレハブ小屋だろう。人の出入りも多いだろうから、兄さんがこっそり紛れ込んで覗き見するぐらい、できそうな気がするけどね」
大介は、過去1度だけ訪れたことのあるあの寮のことを、脳裏に思い描いた。
そこで働く妻の姿を、密かに覗き見する。
大介は妙な感情を抱かずにはいられなかった。