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甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
「はぁ、はっ…」
「……翔…」
「……理紗、そんな顔するな」
きっとさみしそうな顔だったんだと思う。
離れないといけない憂鬱感と、翔に抱かれた幸福感。
そのどちらも切り離すことはできなくて、あたしが翔と時間を過ごすたび、肌を重ねるたびに、続く。
あたしの涙を拭って、翔はいとおしげな声と、甘い吐息を漏らした。
「……もっと欲しい。他の誰かじゃなく、理紗がいい。理紗しかいらない」