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甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
「理紗に逢いたくて、迎えに来ちゃった。理紗と映画行くときは映画館ここしかないし、ごはん食べるって言ってたけど、そんなには移動しないかなと思って」
「…うん」
「スマホ見てなかったでしょ?俺、何度も連絡したのに」
「ごめん、ね……」
背筋が凍りつくような感覚だった。
生きてる心地がしなかった。
「いつから……どれくらい、待っててくれたの?」
「30分くらい前からかな」
「…そう、なの。待たせてごめんね」
「いいよ。俺が早く逢いたくて、来ちゃったんだし」