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甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
「次の電車、22:20に来るみたいだから、10分くらいあるね。ミルクティーでも飲んで待っとく?」
「うん、そうだね」
「鞄、持ってあげる。貸して?」
「うん…ありがとう」
英士くんはあたしから鞄を受けとると、反対の手であたしの手を握る。
コンビニでミルクティー2つとフランクフルトを買うと、ホームまでエスカレーターを上がる。
ベンチに腰を下ろして、英士くんはフランクフルトを頬張った。
「食べる?」
「あ、うん…ありがとう」
お腹が空いてるわけじゃないけど、断るのも気が引けて、それに、些細な行動でも、英士くんに疑われる気がして。