この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘いだけの嘘ならいらない
第8章 拒絶の先の融解
「理紗、話してよ全部。もう、嘘吐かないで」
英士くんは、あたしが嘘を吐いてたのを初めから知っていたのかもしれない。
知っていて、あたしから真実を打ち明けるのを、ずっと待ってたのかもしれない。
「……浮気、してるよね?」
「…っ、うん……」
「あの人、格好いい人だったね。誰なの?名前は?」
「……北条 翔、さん。会社の、部長なの」
あたしは視線を落としたまま、英士くんに問われることを正直に話す。
きっとそれしかできない。
いまあたしにできるのは、本当のことを話して、英士くんに謝ることだけ。