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甘いだけの嘘ならいらない
第8章 拒絶の先の融解
あたしのものだと思えない甘えた声が零れて、恥ずかしさに瞼を伏せる。
「あっ……あ…」
翔にずっと愛されてた熱をまだ忘れることができない儘に、真っ白な色にまた染められていくように、愛撫を繰り返される。
英士くんに、翔との情事も、恋心も、知られてしまった。
赦されない彼への想い。
背徳の恋は、想定していたよりずっと重く、思いもよらないほどに辛くせつなかった。
身勝手なあたしのせいで、英士くんが傷ついてることが苦しくて、悲しくて、もうこの恋は終わってしまうのだと思った。
だけど、英士くんは低く、耳元で声を降らせた。