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甘いだけの嘘ならいらない
第1章 だから僕はもう戻れない
「えいし、く…っ、あ……」
「……まだ、出来るよね?」
ひどく優しい瞳で、声で、彼はあたしを甘くやわらかな快感に導く。
ちいさく頷くと指先で花芯をなぞられて、びくりと腰が浮いた。
「ひあ…っ、あ」
「可愛い。もっと溺れてよ…これくらいじゃ、まだ、足りない」
「あ…っ……ぁ…」
「…俺、どうかしてる。こんなに抱いても、まだ欲しくなる……」
英士くんは律動をゆるめて、執拗に奥まで捩じ入れては手前まで引き抜いて、肉襞をこする。
熱くて、瞼のうらで星が散りばめられるように目眩がした。
「……愛してる」
確かめるように、弱く甘く、囁かれる言葉に溺れる。
こんなのずるい。
だってもう、心までゆるしているのに、それ以上に全部奪われてしまいそう。
でもそれでもいいと思った。
だってあたしは、きっとずっと、疑いようもなく彼のものだから。
「……だから、側にいて」
せつなく胸をゆるがす瞳にまた泣きそうになって、あたしは、みないふりをした。