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甘いだけの嘘ならいらない
第6章 騙されてあげる、それは君が好きだから
その後、朝礼が終わると、顧客データの入力から進めていく。
結局あの後、翔にローターを元のように入れられたあたしは、下腹部に違和感を覚え、悶々とした気持ちを抱えながら、なんとか仕事に集中しようとしていた。
午前中はいつも集中できていることが多くて、お昼休みのチャイムがなるまで時間の経過にあまり気づかないことが多いけど、今日は状況が状況だけに、いつも出来ていることが出来ない。
いつも一時間で終わる入力業務が二時間以上もかかってしまい、パソコンのモニターを見続けた結果、目の疲れは相当なものになっていた。
データ入力が終わると、次はその内容を印刷してミスがないか確認する。
そうしている間にも微弱な振動は伝わってきて、あたしはちいさくため息を吐く。