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甘いだけの嘘ならいらない
第6章 騙されてあげる、それは君が好きだから
「…え、そうなの?ノー残業デーは水曜だよ?」
「もう、理紗。朝礼の間、北条部長のことぽーっと見てたから、朝礼の内容は右から左だったんでしょ」
「み、見てないもん……」
思わず否定したあたしを気にする様子でもなく、明日香は続ける。
「そ?夕方から夜間にかけて、ビルの電気系統のメンテナンスが週に1回あるじゃない。今週は月曜日、つまり今日よ」
「あ…そう、だっけ」
「やっぱり忘れてたみたいね。とにかく、美味しいもの食べて、ゆっくりお風呂入ったら元気になれるよ。ね?」
「うん、ありがと」
明日香に励ましてもらって、少し気持ちが晴れたあたしは、次の仕事に取りかかるために席に戻った。