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甘いだけの嘘ならいらない
第6章 騙されてあげる、それは君が好きだから


『理紗、どこにいる?』

「駅前でミックスジュース飲んでます。映画までかなり時間ありますけど、どうしますか?」

『先に飯行こうか。腹減ってるよな?』

「空いてます……」


しゅんと膝を抱えて座っている可愛いくまのスタンプをつけて送信すると、すぐに電話がかかってくる。


『可愛すぎるんだけど。すぐ迎えに行くから、待ってて』

「お気に入りなんです、この子。可愛いでしょ?」

『ああ。でも理紗の方が可愛い。……それより、また敬語に戻ってるのは何で?』


翔は電話を切らないまま、迎えに来てくれるつもりみたい。


もしかしてあたしがひとりで待っていてもさみしくないようにかも、そう思うと胸があたたかくなって、幸せな気持ちになる。


あたしは敬語を指摘されたことに、慌てて弁解する。


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