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甘いだけの嘘ならいらない
第6章 騙されてあげる、それは君が好きだから


「ううん、好きなものばっかり…でも、あんまり食べたら太っちゃう」

「太るって…理紗、ダイエットしてるのか?そんなに細いのに?」

「ダイエットはしてないけど…」

「あー、じゃ、俺が食いたいから頼むから、理紗はお腹と相談しながら、好きなの好きなだけ食べたらいいよ」

「ん、ありがとう」


翔とはまだ出逢ってから日が浅いけど、こういうふうに、さりげなく優しくされたり気遣われたり、そんな些細なことにきゅんとする。


英士くんの優しさとはまた少し違う、余裕のある行動の一つ一つに大人だと思い知らされて、甘やかされて、きっとそういうところにあたしは惹かれてる。


特別扱いされて、本気なんだって思わされて、この優しさがもし他の女の子に向けられたら、と思うとさみしくなってしまう、あたしはずるい。


あたしは英士くんの彼女で、彼と別れるつもりなんて、ないのに。


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