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甘いだけの嘘ならいらない
第6章 騙されてあげる、それは君が好きだから


そんなことを考えている間に、翔は注文を済ませて、少しすると美味しそうな香りがして、テーブルに順番にお料理が並べられてゆく。


先週のランチもそうだったけど、翔の連れてってくれるお店は美味しいところばかり。


ふと昼間の明日香の言葉を思いだす。


美味しいものを食べると確かに元気が出るから、思いつめていた心が少しだけ和らいでゆく。


食べ終わるとやっぱり翔はあたしにお会計を払わせてはくれなくて、結局またご馳走になってしまった。


「2度もごめんなさい…」

「いいって。格好つけさせろよ」


お店を出たところで謝ると、翔は笑ってあたしの頭を撫でる。


格好つけなくても、翔は十分すぎるほど格好いいのに、なんて恥ずかしくて言えないから、あたしはありがとう、と笑った。


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