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甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
「そんな顔するのはずるい。…じゃあ、ポップコーンとジュース奢って」
「そんな顔って?…でも、いいよ。ジュース何がいい?」
「俺はレモンスカッシュ」
「ん。ポップコーンは塩味でいいの?キャラメル?」
「キャラメルは甘すぎるから塩味がいい」
「わかった。ちょっと待ってて」
翔のレモンスカッシュとあたしのオレンジジュースと、塩味のポップコーンを買って、チケットを提示して座席を探す。
真ん中より1列後ろのちょうど中間あたりの座席に座ると、映画のチケットをちらりと見る。