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甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
「…恋愛映画、なの?」
「ああ。R指定」
「えっ」
「普段はアクションとかSFが多いから、たまには。理紗と観にくるなら、これがいいと思って」
「…うん。恋愛映画、好き」
「だと思った」
翔は手を繋いだままで、反対の手でスマホの電源を落とす。
あたしも翔と同じように電源を落とすと、アナウンスが流れて、照明が落ちる。
暗がりで、いっそう高鳴る胸に、ぎゅっと繋いだ指先に力をこめた。