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誘淫接続
第4章 切断
 「そ、その……乳白釉、百十一袋も発注するんですか……?」
 翠のその言葉に、麻琴は画面をよく見た。
 複数欄に続けて『1』を入力していたつもりだったが、一ヶ所『111』となっていて、それ以降が空欄のままになっている。
 一袋で十分なものが、百十一袋も届いたら大ごとだ。
 麻琴は普段なら絶対やらないようなことをやっている自分に、またいら立った。

    ※  ※  ※

 数日後の夜、麻琴は上下そろいのスウェットを着たまま、自宅の部屋でひとり立っていた。
 灯りは全部消している。テーブルの上の紅い蝋燭の火だけが妖しく光を放っている。
 下腹の奥には、二つのバイブが埋まっている。
 クリトリスは二つの突起に軽く挟まれている。

 麻琴が、自分で貞操帯を装着しているのだ。
 もちろん動くことも、施錠されることもない。
 それでも麻琴は部屋の中をゆっくり歩いて何度も往復しながら、二つの穴を押し広げられる感触を通して責められていた時の記憶を呼び覚ましていた。

 見ず知らずの警官に支えられながら絶頂したこと――。
 今と同じ状態で教室に行ったこと――。
 大勢の他人がいる駅のホームで絶頂したこと――。
 野外放尿の最中に壁一枚を隔てて自転車が通り過ぎていったこと――。

 今日仕事から帰ってきたあと、適当にコンビニで買ってきた弁当で夕食を済ませ、自宅ではめったに飲まない缶ビールを三本も飲み干した。
 そしてシャワーを浴びていると、隆一が翠と楽しそうに話していた様子が突然頭をよぎった。
 シャワーのあと今度は、貞操帯で責められた時の数々のことが頭によみがえってきた。
 そして思い立って、ずっと棚にしまったままにしておいた貞操帯をつけてみた。
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