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誘淫接続
第5章 接近
 二本の指を入れたまま、翠は親指の腹で麻琴の肉芽に直接触れ、柔らかな動きで回し始めた。
 肉芽を表と裏から同時に挟まれて刺激を送り込まれる。
 「だぁぁ、だめっ……それだめ……やめてやめてやめて……!」
 下腹部が熱湯を溜め込んだように熱い。
 麻琴の身体を支えている両手の力までも抜けそうだ。

 ――どうして……
 ――どうしてこんなことに……!
 ネットの中だけの虚構だと思っていたのに。
 『ご主人様』に会うことなど考えもしなかったのに。
 どこか知らない遠くにいて、麻琴の素性を知られることもないと思っていたのに。
 こんなに身近にいたとは。

 何もかも、翠は知っていたのだ。
 麻琴のそばで何食わぬ顔して、いつもの通り仕事して、いつもの通り失敗しながら。
 翠はどういう思いで麻琴を見ていたのだろう?
 いつも腹の底で、麻琴のことをドMだマゾだと嘲笑していたのだろうか。

 いや、今のこの翠は、本当に麻琴がよく知っている翠なのか?
 翠にそっくりの全くの別人ではないのか?

 いつの間にか翠は麻琴の背中に覆いかぶさり、左手をスウェットの裾から中に入れて、ブラをずらして固く尖った麻琴の乳首をつまんでいる。
 乳首をつままれると、まるで子宮の入口も一緒につままれたように下腹に妖しい電流が走る。
 麻琴の全身は、翠の手によって加えられる刺激で悦楽の海にどっぷりと沈められていた。

 麻琴の耳に、翠の荒い息づかいが流れ込んでくる。
 その息は男のように猛って熱く、女のようにしっとりと甘い。
 股間と乳首を責め立てる指は男のように乱暴で、女のように繊細だ。
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