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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章  『 シフォンケーキ 』


自慰で疲れたわたしは、
足を下ろし、
テーブルに頭を乗せた。


手を目の前に持ってきて、
親指と人差し指を重ねた。
指と指を離すと、白濁した液体が伸びる。


こんなに体は反応するのになあ。


わたしは、ぼんやりしながらそう思った。


ティッシュペーパーで手をぬぐい、
ゆっくりと目を閉じた。


Sachiさんのことを羨ましく思い、
そして憧れる気持ちになっていた。


サディストの人に見抜かれて、責められる……なんて。


そんなことあるのだろうか?


一瞬、疑う気持ちを持ったものの、
アップされている写真の数々に目を向ければ
それが嘘かどうか……容易に判断がついた。


左腕の肩部分にある傷跡。
目の部分は、画像処理しているけれど、
唇の右横にあるほくろ。
キメの細かな白い肌。


それらは、どの写真にもみられる。


借り物の画像とは思えなかった。


イケない体の火照りを感じながら、
わたしは赤い縄で縛られた自分を想像してみた。


緊縛によって、せり上がる乳房。
うん、……乳頭は、たっている。
臍のあたりに、縄の瘤が当たっている。
次の瘤は恥丘のあたり。
そして、次の瘤は、膣口を塞ぐように。
陰核も、充分刺激される位置に瘤は当てられている。


手は、後ろで縛り上げられて、動かせない。


わたしの顔は、恥ずかしくて上気するに決まっている。


わたしは、ふっと微笑んでしまった。


縛られたこともないのに、緊縛されている自分を
こんなにリアルに想像できてしまう…。


瞼を閉じて、あの日を思い出していた。


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