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唇に媚薬
第8章 嫉妬姫
「〜〜〜!!」
ド、ドキューーーン!!
って、な、なに今の音!
ヤ、ヤバイ心臓が……っ
「……あ、あお…っ」
「……!」
ハートを打ち抜かれて、カバッと頭を起こすと
反動で手を離した葵が、ギョッとして目を見開いた。
「お前なに泣いて……」
「〜〜さ、さっきの……」
「あ?」
「……っ さっきの女の子、か、可愛い……っ」
「……は?」
って、違う違う!!
いや、実際可愛いんだけど、そうじゃなくて
「「…………」」
誰ですかって……聞いてもいいのかな?
てゆーか、その前に勝手に来たことを謝るべき?
でも、メールしたし
だけどそうだ、なんで返信くれなかったのかな……
って、なんか頭の中こんがらがってきちゃったんだけど!
あぁ、もう、どうし……
「蘭」
「………!」
無意識で頭を抱えようとした私の両手。
葵の両手に、ガシッと掴まれた。
「俺が好きな女は、蘭しかいない」
「………!!」
真剣な瞳で、真っ直ぐ見つめられる。
「お前が今何を聞いてこようが、俺の答えはそれだけだ」