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唇に媚薬
第8章 嫉妬姫

「………」


……うん、そうなの。
さっきの彼女は誰?って聞きたかったんだけど
私が、本当に確かめたかったのは……


「あ、葵……」

「黙れ。喋るな」

「………!///」

「はぁ…マジでなんなんだ俺は……」


さっき私がしようとしたように、葵が頭を抱える。
街灯に照らされた耳が真っ赤だ。

……ヤバイ。
どうしよう。

何よりも先に、私を安心させてくれた。
甘い台詞とか絶対苦手なくせに、どストレートな愛の言葉。

……くすぐったくてキュンキュンしちゃう。


「行くぞ。これ以上醜態晒せるか」


葵が立ち上がったので、慌てて後に続く。
わ、何人かに見られてる!
視線が痛い……


「悪い、お前のメール気付かなかった」


歩きながら、コートのポケットから携帯を取り出す葵。
誰かにメールをしはじめたらしく、その視線は画面に集中してる。


「………」


やっぱり、気になるんですけど。

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