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唇に媚薬
第1章 理想と現実
「現実見ろよ」
「…………!」
「……バカ女」
ゾクリとする重低音。
ギラリと光る鋭い目。
腕を掴まれた葵の手が腰に回って、さらに強く抱き寄せられると
「………!!」
………一瞬の間に
噛みつかれる勢いで、唇を奪われた。
「……っ …ん、んん……!」
葵の香りがふわりと広がる。
身体の奥から、グワッと何かが湧き上がる感覚。
熱い舌が私の舌に絡まって息ができない。
「や、……っ ま、待っ……」
な、なに……?
私何か気に障ることした?
そんな風に捉えてしまうくらい、葵のキスには優しさが微塵も感じられない。
怒りをぶつけられるような、乱暴な口づけ。
……葵とキスするのは初めてでは無いけど
他の男も含めて、こんなに荒々しいのは経験したことがない。