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唇に媚薬
第9章 ヤキモチ王子

“ 先週に引き続き
ウキウキしちゃって、またお迎えに来ちゃった♪
ウザくてごめんね ”


たった今届いた、蘭からの新着メール。

いや、俺だって負けねぇくらいウキウキしてるし
ウザいなんてこれっぽっちも思ってねぇけど


「……待ち合わせは9時に駅前って言っただろーが」


携帯に向けて独り言、思わず舌打ち。

ちくしょー、明日の朝は空港直行だし
残りはまたフライト中にやるしかねぇな。

つーかこの女……
あと30分もエントランスの前で待ってる気だったわけ?
こんなクソ寒い中?


「 “ 今すぐ行くから、ロビーに入って待ってろ ” 」

「………!」


返信画面で打ち込んでる文字が、なぜか音声となって聞こえて
ハッとして振り返ると……


「 “ 冷えた体は俺が温めてやる ” ……か」

「〜〜〜!!」

「へぇー、優しいね王子様♪」


俺の斜め後ろで、蓮が楽しそうに笑っていた。

〜〜つーか後半はてめぇの妄想だろうが!
んな寒いセリフ言うかボケ!

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