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唇に媚薬
第9章 ヤキモチ王子
「……見てる、って……?///」
胸の前でバッグを抱えて、蘭が蓮に聞き返す。
「カナダから帰ってきて以来
瀬名は、それはそれは嬉しそうに
幸せそうに微笑むようになりました」
「「………!!」」
はぁ!?
「どれだけ感動するオーロラを見てきたのかと思ってたんですが。
理由は貴方だったようですね」
「~~やめろボケ!」
バカかこいつは!!
ゾワゾワと鳥肌が立って、蓮のコートの襟を引っ張る。
「てめぇいい加減にしろよ!」
「はは、なんだよ事実だろ」
「~~~!」
「さっきの仕返しだ」
口元を押さえて震える蘭。
金粉を振りまいてんじゃねーかと、ツッコミたくなるほど
その瞳はもう半分潤んでる。
あー無理マジ無理。
周りの視線も痛ぇし
もうこの場にこれ以上いられねぇ。