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第10章 狂う程、夢中

ズキュンと一撃。
撃たれた心臓に、効果音を付けるならまさにそれだ。

……どうにかしてくれは、こっちの台詞なんですけど。
頭がクラクラして、目がチカチカする。


「……葵……～～！」


言葉を遮って、葵の唇が私の唇に重なった。

大きな右手が頭の後ろに回って、髪の間に入り込んで
舌を吸われた瞬間、ビリッと全身に刺激が走る。


「…ん、んん……っ」

「……蘭」

「ふ、…あ……」


噛みつくような葵のキスは、私の脳まで痺れさせて
途端に思考が止まって、瞬く間に全身が溶けてしまう。

……だけど、今日は何かが違う。


「……葵……」

「……！」

「…んっ…///」


葵の頬を両手で包んで、自ら舌を絡めた。

……なんだろう

うまく言えないんだけど
完全にリードされてしまういつものキスと違って

……私……