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唇に媚薬
第11章 純真なカノジョ
~~~これだからイケメンは!!
普段クールな男に優しく微笑まれたら、NOって言えないでしょーが!
……と、心の中で叫んだつもりが声に出ていたらしく
周りの皆がドッと笑いだした。
いやいや、別に漫才を披露しているつもりでも何でもない。
「先輩って呼び方いい加減やめてください! 敬語も!」
「なんで? 事実俺の先輩でしょ」
「そうだとしても歳は私の方が1つ下だし!
現に私はあなたのアシスタントなんですけど!」
なんで毎回、こんな説明染みた会話を繰り返さなければならないのだろうか。
中途採用の姫宮さんとコンビを組んで2年。
入社歴は私の方が長いけど、先輩と呼ばれる立場では無い。
だいたい、先輩って呼んでおいてお使いさせるってなんなのよ!
「いっつもカリカリしてんな~あんた」
ワックスコードとビーズの5連ブレスレット。
巻かれた手首をコキコキ鳴らして、姫宮さんは溜息を漏らした。
・・・呼び方、 “ あんた ” に変わってますけど。
「それでも最近は機嫌良かったのに」
「………!」
「また合コン失敗?」