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唇に媚薬
第11章 純真なカノジョ
ハッ!
人が感動してたというのに、しれっと話戻したな!
って、今まだ6時じゃん!
「銀座ならパッと行って帰って来れる距離じゃないですか。
姫宮さんがご自分で……」
「無理。
俺が行ったら確実に戻れねぇ」
「……なぜ?」
「店員の女達が面倒だから。
この前も、アドレス教えろって監禁されそうになったし」
「~~~!」
「マジで怖ぇんだよ、あいつら」
……今の会話だけで
この方がどれだけモテるかお分かりだろう。
「店長には、早坂が行くって一報入れとくから」
そう言って彼が取り出した会社携帯。
店舗の女の子からバンバン電話がかかってくるという理由で、常に留守電設定らしい。
……恐るべき、カリスマMDの実態。
「つーわけで、よろしくな」
さっさと行けとでも言うように
無表情に戻った姫宮さんに、ひらひらと手を振られた。