この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
唇に媚薬
第11章 純真なカノジョ
……初対面だっつーのに、ずいぶん態度悪い子だな。
前から感じてはいたけど
現場の販売スタッフは、本社の人間をやたら敵対視する傾向がある。
でもさ
同じ会社なんだからさ~
仕事なんだし、表面だけでも仲良く出来ないのかしら~
「……お忙しいところ、ごめんなさい」
お局的な本音は心の中に留めて、大人な私はニコリと笑って頷いた。
……なのに
「……ふんっ」
プイッと顔を背けて
店員の女の子は、レジ横のバックヤードに振り返る。
「店長~、
本社の “ なんとかさん ” が来ましたよ~」
「………!」
……な、なんとかさんだと!?
私ちゃんと名乗りましたけど?
ムカッときて身を乗り出そうとすると、その子は物凄い不機嫌そうに溜息を漏らした。
「あーぁ、姫宮さんに会いたかったなぁ」
「………!!」