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唇に媚薬
第11章 純真なカノジョ
ん? デマ?
突然何の話だろう?
首を捻って聞き返すと、店長は溜息をついた。
「 “ MD姫宮さんと、アシスタントの早坂さんはデキてる ” 」
「………!」
「一時期流行った噂が、なぜかまたここにきて再熱してるみたいですよ」
……うーわー、マジか。
私、ほとんどデスクワークなのに、名前だけは売れてるんだよなぁ。
相変わらず話が間違った方向に飛躍してんのねぇ。
って、なぜこんな風に驚きもせず呑気でいられるかというと
今までも散々本社の女達に疑われてきたから、慣れてしまったのだ。
その度に身の潔白を主張して、私は頑張っていた。
「もう、有名人ですね〜」
ちゃんと事実を知ってる店長は、楽しそうに笑う。
「みんな羨ましくて、嫉妬してるんですよ」
「うーん、困ったな。
社内のSNSでも使って、ちゃんと公表しようかしら」
「あはは、それいいかも。
早坂さんの為にも……と
あ、ちょっとごめんなさい」