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唇に媚薬
第11章 純真なカノジョ
「……えっ!?」
うっすら涙が溜まった瞳が、私を見つめる。
「だ、誰かとデキてるって……
お店の女性との話、聞こえちゃったんです」
~~えぇ!?
「MDのヒメミヤさんって、職場の方ですか?」
「………!!」
「公表しようかなって、それってつまり……」
「ちょ、ちょっと待って!」
~~な、なんか急にすっごい攻撃されてる気が……
っていうか、そこまで会話をバッチリ聞いてたのに
店長が最初に言った “ デマ ” って単語は聞き逃したっぽいよね?
それが重要なんだけど!
「あの、すみません……」
「………」
「……ちょっと何を仰ってるのか……」
……っていうか、正直彼女には関係ないのでは……?