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唇に媚薬
第12章 相棒流儀
「……悪くは、無いですけど…」
「つーか俺、早坂のこと女として見てないし」
「………!!」
「お前だってそうだろ。
感心するほど俺にドライだもんな」
……はい、そうですね。
否定、しないけど。
けどさ!
女として見てないって!
面と向かって、そんなキッパリ言うかな普通!
なんかちょっぴり傷付いたわ!
「……でも、巷では噂が再熱してるらしいんです」
「噂?」
「私達が付き合ってるってデマ、覚えてます?
必死で沈下させたのに……」
「噂になってる相手は早坂だけじゃないから。
気にすんな」
「……あ、そうですか」
モテる男は、返し方まで次元が違う。
もう尊敬するわ。
……まぁ、姫宮さんが大丈夫ならいいんだけど……
この店は初めて来たし、他に知り合いは見当たらないし平気かな。
あ、だから敢えてこんな賑やかな所にしたのかしら。
そんな事を思いながら、冷えたビールを喉に流すと
やっと落ち着きが戻ってきた。