パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第12章 相棒流儀

……そこまで、バカじゃないから
姫宮さんが何を言いたいかは分かる。


「……仕事のパートナーである２人に、首を突っ込むなってことですよね」

「そーそー。その通り」


私のグラスにも冷酒を注いで、姫宮さんは淡々と続ける。


「だいたいお前、自分に置き換えて考えてみろって」

「……自分？」

「俺とお前がデキてるって噂が立つのも
俺達が恋愛関係に見える “ 他人 ” がいるからだろ？」

「………！」

「でも実際当人同士は、これっぽっちも思ってない」

「………」

「周りの目ってのはな、憶測でしかねぇの。
いい加減で、適当なんだよ」


……つまり私は、葵と佐伯さんの関係にとっては他人なのだ。
いくら彼女が葵を好きでも、私はそこに関与はできない。

それに
私に想いを告げる前、彼女は……


“ ちゃんと、分かってるんです
どんなに想っても、願っても、届かないって ”