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唇に媚薬
第13章 同じキモチ
『おい蘭、どうし…』
「教祖様……!!」
『……は?』
なんたることだ!
説諭の時間からまだ30分も経ってないというのに、もう頭から抜け落ちていたなんて!
すごい。
雷に打たれたみたい。
一気に視界が開けた!
「葵! 目が覚めたわ!」
ガードレールから立ち上がって、思わず叫ぶ。
『……今のデカイ声で、俺も覚めたよ』
「男は働く生き物なの。優先順位は仕事!」
『あ?』
「そこですれ違ったら意味ないもんね!」
『………』
佐伯さんを選んでるわけじゃない。
アシスタントすなわち仕事。
つまり “ 仕事 ” を優先してるんだ。
って、さっき姫宮さんが言った言葉そのまんま!
「危なかった~自滅するところだったわ~」
『……なぁ、マジでなに?
お前、教祖とか言わなかった?』
「大丈夫!
私は愛に生きるけど、葵は仕事に生きて!」
『いや、俺も愛に生きてぇんだけど……』
「だめよ! 働かなきゃ!」
『………』