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唇に媚薬
第15章 Yours forever
「あ、早坂待って」
「~~~!!」
出た――!!
速攻的中!!
……あと1歩で、フロアの外に踏み出せたはずの右足。
泣く泣く戻して、ゆっくりと後ろへ振り返る。
「な、んでしょうか……」
「帰るの?」
「はい、帰ります。
これから大・事・な約束があっ……」
「良かった、ナイスタイミング♪」
受話器を置いて、リーダーはニッコリ笑うと
胸の前で手を合わせてウインクをした。
「銀座店に寄ってくれる?」
「~~~!」
「A4サイズの書類で軽いからさっ。
そのまま持って帰っていいから、明日の朝僕に渡して♡」
わ~~んやっぱり!!
てゆーか業者間違いすぎだろ!
この前のアウターで反省したんじゃなかったの!?
「……かしこまりました」
心の中でサンドバッグをひたすら殴る。
……気付いたら、こんな時間で
待ち合わせの時間まで10分しか無いというのに
銀座に寄ってから汐留って……確実に間に合わないんですけど!