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唇に媚薬
第15章 Yours forever
「サンキュ~!
銀座店の店長には俺から伝言入れておくねっ」
リーダーはウキウキした様子で、再び受話器を手に取った。
……そりゃ、部下である私が行くのは当然だし
チームのみんなはまだ仕事をしてるから、頼めないし
1年に1回の奥さんの誕生日と比べたら
こっちは特別な日でも何でもない。
~~でも!
予定より3日早く帰ってきてくれた葵に
今は1秒でも早く逢いたいのに!!
「~~なんて愚痴っても仕方ない! 頑張れ私!」
口の中で叫んで、皆にもう一度挨拶してから
再び体を出口の方へ向けた……
その時
「早坂」
「………!」
外の通路から、同僚と共に姫宮さんが戻ってきた。
夜食を買ってきたようで、2人の手にコンビニの袋が握られている。
見ての通り、相棒はがっつり残業するらしいけど
先に帰る事は夕方に伝えてあるし問題無い!
急がなきゃ!