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唇に媚薬
第15章 Yours forever

「姫宮さん、お先に失礼しま……」

「おい、ちょっと待て」


すれ違う寸前に呼び止められて、急ブレーキ。

~~って、お願い今日だけは勘弁して!
明日以降なら喜んでパシられるから!


「すみません、今から私……」

「俺が行ってやるよ」

「はい、俺が……」


………。

えっ!?

なんだって!?


「リーダー宛ての書類。
銀座店には俺が取りに行く」

「………!」


今の話が聞こえてたんだ、という驚きと
普段なら絶対にありえない想定外の言葉で、思わずその顔を二度見してしまった。

ど、どーいった風の吹きまわし?


「あの、でも……」

「いいから、お前は早く下に行け」

「……へっ?」


……した?
下って?

意味が分からなくて、ポカンと口が空いてしまう。
そんな私を見て、姫宮さんはニッと笑った。


「 “ 俺の想像よりも、100倍いい男 ” が
エントランスで待ってるぜ」

「………!!」


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