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唇に媚薬
第15章 Yours forever
……え?
そ、それって……
「やべぇな、あれは」
「えっ!?」
「早く行ってやんねぇと、他の女達に逆ナンされるぞ」
シルバーのナローバングルを、シャランと鳴らして
姫宮さんは追い払うかのように、私に向けてしっしと手を振った。
……ドクンと心臓が跳ねる。
「ど、どうして、分かっ……」
「さぁな、彼氏に聞きな」
「………!」
「つーかお前、あれだけの男を会社に呼ぶんじゃねぇよ」
入口の扉に背中をつけて、姫宮さんが苦笑する。
……違う、の。
呼んでないわ。
だって
待ち合わせ場所は、私からメールで……
「………!」
羽織ったコートのポケットから、急いで携帯を取り出すと
10分前に、葵からの新着メールが届いていた。
“ ウキウキしすぎて、迎えに来た
ウザくて悪いな ”
「バカップル」
「………っ」
「明日、遅刻するなよ」
私の頭をコツンと叩いて
姫宮さんは優しく笑うと、リーダーの元へ向かった。