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唇に媚薬
第15章 Yours forever

「~~~~!!!」


雷に打たれたような衝撃と共に、凄まじい重力に引っ張られる。


「……! 危ね…っ」


ガクッと膝が折れて、後ろに倒れる私に
ギョッとした顔の葵が、慌てて手を伸ばした。


「……ったく、ビビらせんなボケ」


右腕にガッシリ受け止められた体は、微動だに出来ない。

はぁっと大きく溜息をつかれて
引きずられるように、スタンド席の1番後ろに座らされた。


「やめろよ、想像を上回る反応するの」

「………」

「こっちは爆破寸前だっつーのに、これ以上…」

「葵、意味分かってる?」


隣りに座った葵の言葉を遮って
私は俯いたまま、ボソリと呟いた。


「意味?」

「結婚するってどういうことか、理解してないでしょ」

「………」


顔を上げられない。
自分の声も、膝の上に置いた手も震えてしまう。


「……蘭」


葵の右手が、私の両手に重なった。


「意味とか、理解とかじゃなくて」

「………!」

「俺はお前が好きだから、プロポーズしたんだけど」


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